北九州セブンズを興行的視線から振り返る(後編)
前回は称賛しましたが、今回は課題点を見ていきたいと思います。
ま、「素人目線」の観点からですが。
・ワールドラグビーへの提言
今回は2日で6,000人の観客を動員しましたが、6,000人全てが「ラグビーファミリー」ではありません。
去年から気になった事は15人制ラグビーに関して、日本人(特に団塊の世代)は興味を持ってます。一方で、セブンズのルールというのを知らない人が多いのが今の日本ラグビー界です。
北九州市は政令指定都市の中でも、65歳以上の高齢者の人口比率が1位の街です。その為、選手の関係者以外で「ただ、単に大きなイベントがやっているから来た」という方も多いのです。
ミクスタはオーロラビジョンがあるのですが、ただ単に試合映像を流していて、フィールドに立っている選手が誰なのかが分からない観客が多いものです。今回は福岡県内の小中高校生を無料招待したのですが、ポーシア・ウッドマン選手がトライを決めても、
「うわあ、誰だか知らないけれど、速いなあ」
とポーシア・ウッドマン選手が昨年のワールドラグビーの最優秀女子ラグビー選手である事を知らずに見ていたのが現状です。
もちろん、プレーの映像を流すのも大事ですが、途中でスコッドを表示させたりする必要があると思います。また、選手の交代やシンビンで退場した選手などを告げないと、にわかの観客も飽きてしまうのではないかと思います。
・日本ラグビーフットボール協会への提言
先程のスコッドにも関連しますが、今回はHPで予めスコッドを印刷して見ていたのですが、多くの観客はスコッドを印刷しないで来ていると思います。
自分は競馬もやりますが、競馬場には必ず全レースの出走馬表(レーシングプログラム)があります。また、北九州市はオートレース以外の公営ギャンブルがあるためか、モノレール小倉駅の公営ギャンブル中継テレビの横には出走メンバー表があります。
会場ではパンフレットの販売も行われていましたが、登録メンバーのみでスコッドの表記はありません。
スポーツの魅力は誰がどういったプレーを見せたか?それを一目でわかるのはスコッドのような印刷物です。次回は何でもいいので、スコッドの配布等をお願いしたいところです。
あと1点は、北九州市の目の前1,2kmには山口県下関市があります。60km近く遠い福岡県内の小中高生は無料である一方、目の前の下関市の小中高生は有料では納得がいかない人もいるでしょう。
それを考えると、せめて下関市の子にも無料で招待する企画をラグビーフットボール協会から動いて欲しいものです。
・北九州市への提言
山中美緒選手や長田いろは選手が市役所訪問した際、市長ではなく副市長が応対したこと。2年連続なので諦めます(笑)。
それよりも、商店街等に大会告知が少ないのが気になります。JR九州の小倉駅には大会告知のペナントがあったのですが、利用者が通る小倉城口は、ほぼ同時期に行われた北九州市民球場のソフトバンク戦の告知。利用者からしてみればソフトバンクの方に目が行ってしまうのです(ちなみに私はアンチソフトバンクではないので)。
九州で国際的な大会や大物アーティストのライブ。大抵は福岡市で行われます。一方の北九州市はドラマのロケとして有名ですが、福岡よりも良いイメージがないのが現状です。北九州市のアイデンティティを膨らませるためにも、北九州市が積極的にPRしないと駄目だと思います。
今回、ウッドマン選手がラッキーアイテムとして買ったヘアタイを「アミュプラザ小倉で買ったの」と具体的な店まで言える位に、選手間に「Kitakyushu City」の名前は広まっています。確か、来年までが日本でのHSBC7Sの開催を持っているはずです。今回の収穫と反省を生かし、来年は興行的に大成功した大会になって欲しいものです。
最後に。個人的な事ですが、転居準備等でカナダ大会などの更新ができない状況です。2週間前なのに、何もやっていないので、次に更新できるのは未定です。別件でも忙しくなりそうなので。