女子ラグビーを応援するブログ

2017年8月には女子ワールドカップラグビー、2020年東京五輪では7人制ラグビーが。女子ラグビーに注目

Sakura15の敗因よりも日本の女子ラグビーの問題点を考える

 

最初は今回の女子ラグビーワールドカップにおけるSakura15の敗因を考えていました。しかし、現状では彼女達、ヘッドコーチ陣の方針に問題はなかったと思います。誤算と言えば、マティトゥンガ選手、福島わさな選手の離脱、初戦でハイタックルが危険なプレーとみなされ、3試合(イタリア戦まで)出場停止を受けた富田真紀子選手の出場停止。

でも、よくよく考えてみると、ある1つの答えを見つけました。

 

女子ラグビーにおける日本の地位があまりにも低過ぎる事

 

ここから先は、あくまでも私個人の考えですので、同調するか否かは皆様のご判断にお任せします。

 

1. 女子ラグビーの競技者人口があまりにも少なすぎる
2. 競技者人口が少ないために、国内の女子ラグビー

  7人制ラグビーが中心
3. 「ラグビー=15人制ラグビー」の概念が強い日本。

   その為、7人制ラグビーがメインの女子ラグビー

   関心を示さない。
4. 7人制ラグビーが中心の女子ラグビーなので、

  メディアの取り上げも少ない。

  その為、新規スポンサーが少ない
5. スポンサーが少ない事は限られた予算で

  15人制ラグビー7人制ラグビーの両方に強化を

  充てるために予算が限られてしまう

いきなり結論を書きましたが、この1~5の問題点が悪循環として回っているのが今の日本女子ラグビー界の問題点です。

1の競技人口の少なさとして、下の表をご覧ください。

 

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同じ女子の球技のサッカーと比較しましたが、サッカーと比べるとラグビーの競技人口が大幅に少ない事がお分かりになるでしょう。これがバレーボールやバスケットボールと比べると棒グラフにしたらどうなるのか。怖くて調べる事が出来ませんでした。

 

競技者人口が少ないため、日本の女子ラグビーは少ないメンバーで行われる7人制ラグビー(以下:セブンズと略)が中心です。これが先程の2に該当します。

 

3の7人制ラグビーがメインの女子ラグビーに関心を示さない例として、日本ラグビーフットボール協会のHP等を見ました。15人制のラグビーで主な試合は国体と三地区対抗戦のみ。一方セブンズは太陽生命ウィメンズセブンズシリーズというリーグ戦を中心に沖縄セブンズ、オホーツクセブンズなど大会が多いのです。セブンズの場合は1試合の時間が15分と短く、短期間で試合が行われるため、主催者側からすればセブンズを積極的に導入しています。

しかし、日本人にとって、早明戦をはじめ「ラグビー=15人制」のイメージが強いため、メディアも15人制ラグビーを積極的に取り上げています。世界的な視点から見ると、セブンズの人気が高いのですが、日本においては15人制のラグビーが人気を集めています。

 

レジャーの多様化に伴い、趣味の中に「スポーツ観戦」を挙げる人が少ないのもあります。ラグビーと言えば、五郎丸歩選手が国内に復帰し、トップリーグでは五郎丸選手の試合には多くの人が駆けつけます。しかし、地方ではトップリーグでさえも観客数が2000人の会場があります。

 

男子がこの様な状況であるですから、女子ラグビーが有料で試合を組むとしたら、収支が赤字が出るのは目に見えます。実際、今年4月に北九州で行われた女子7人制ラグビーの国際大会。会場となったミクニワールドスタジアムは収容人数が1万5千人ですが、自分が見た限りではバックスタンドはガラガラです。

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このような状況ですので、4の女子の日本ラグビーのスポンサーが少ない現状です。勿論、現在スポンサーとして協力いただいている企業様に対してはお礼を申し上げたいです。ただ、2018年には7人制ラグビーワールドカップが開催、2020年には東京五輪(セブンズ)、そして2021年には再び女子ラグビーワールドカップが開催。その間の2019年には男子のラグビーワールドカップが開催されます。

 

ラグビー協会と日本政府にしてみれば、新国立競技場の建設を巡ってあれだけ揉めたわけですから、当然2019年と2020年に力を置くでしょう。一方で、女子の15人制ラグビーに関しては協会に任せる、と言うかヘッドコーチ等に育成を投げ出す感じになると思います。これが5の予算の限界に当てはまると思います。実際にアイルランドから帰国した有水ヘッドコーチは「予算的な問題はクリアしなければいけませんが、定期的な試合を組んでほしいですね。」と強化に向けて予算が欲しいと訴えています。

 

先進国の中でスポーツに充てる予算が最も低い日本。1964年の東京五輪以降は実業団スポーツにスポーツの強化を委ねてきました。しかし、バブル崩壊後、プロのクラブでさえも潰れる現状。

 

一方、中国は皆さんも耳にしているネット通販のアリババグループ。アリババのスポーツ部門が向こう10年にかけてラグビーに1億ドル投資するニュース。この中には男女15人制ラグビーのプロ化も含まれています。

www.cnn.co.jp

 

チャイナマネーの恐ろしさはサッカーのAFC(アジアチャンピオンズ・リーグ)でイタリアをドイツW杯で優勝に導いたマルチェッロ・リッピを監督招聘など金の力で呼び寄せました。ラグビー界でも同じような事が起こりそうな危惧がします。

 

今後はセブンズの話も触れながら、日本のスポーツや女子ラグビーの強化に必要な物を考えて行きたいと思います。